言霊(ことだま)という言葉はご存知でしょうか。読んで字のごとく、言葉に宿る霊力のことを言います。心霊などのオカルト分野というよりは、スピリチュアル分野に近い存在なのかも知れません。
魂をもつ人間から発せられた言葉には言霊の霊力が宿っており、その言葉の意味と同じ結果が実際に自分にもたらされるといわれているのです。イメージとしてはわら人形の呪いに似ています。
言霊とはいったい何なのか
わら人形は、人間の念や魂がわら人形に投影されることで発する呪力です。言霊も同じように、人間の念や魂が言葉に投影されることで力を発揮する霊力です。
唯一違う点は、言霊は人に幸いをもたらし、わら人形は人に不幸をもたらすという点でしょう。言霊は人にとって良い霊力なのです。
ちなみに、言霊は選ばれた人にしか授からない霊力ではありません。人間全員が持っている霊力であると言われています。それでも霊力には強い弱いがあるようで、強い人はより自分にとって幸運な言葉を選択することが出来るようです。
また、自分の霊力が強いか弱いかを簡単に診断することも出来ます。まず広辞苑や新聞など、文字が多く並んでいるものを用意します。そのなかから、ぱっと見でピンとくる文字を見つけます。それが良い意味であればあなたは強い言霊の霊力の持ち主であると言えるでしょう。
言霊を科学的・歴史的な観点から考える
では次になぜ言霊が生まれたのか、その正体は一体何なのかを様々な観点から考察していきたいと思います。
▼科学的な観点▼
1999年に江本勝さんという方が面白い書籍を発行しました。なんと江本氏は水の結晶を使って言霊を具現化しようと実験し、その結果を写真集にして発行したのです。
まず、江本さんはコップに入れた水をいくつも用意しました。そしてあるコップには「愛してる」「ありがとう」といったポジティブな言葉を、またあるコップには「大嫌い」「消えろ」といったネガティブな言葉をかけ続けました。
その結果、ポジティブな言葉をかけた水は美しい結晶を作り出し、ネガティブな言葉をかけた水は歪んだ醜い結晶を作り出したのです。
オカルトやスピリチュアルの力をここまで具現化出来たのは珍しく、当時非常に話題になりました。この写真集を見る限り、言霊の霊力は実在するものにも影響を及ぼすことがわかります。
▼歴史的な観点▼
また言霊の存在がここまで人々に受け入れられたのは、日本独自の宗教観も大きく関わっていると言えるでしょう。
日本には古代から神道という宗教観があり、すべてのものに神が宿ると言われていました。こういった信仰がある中で言葉にも霊力が宿ると考えるのはごく自然なことです。
また日本だけではなく、シャーマニズムを信仰する国でも言霊の存在が信じられています。様々な観点から見ると、より言霊が身近な存在に感じますね。
言霊を感じた私の実体験
霊感が全くない私ですが、言霊の存在は信じています。なぜなら実際に言霊の存在を体感したからです。
それは今から3年前のことです。仕事でうまくいかない事が多く、恋人には浮気され、親は病で倒れ…。本当に色々なことが重なった時期でした。正直に言うと、生きるのが辛かった時期でもあります。何をするのもしんどく、自分という人間に自信は1%もありませんでした。
普段は気丈な私ですが、その時期は発していた言葉もどんどん暗い言葉に変わっていきました。
それからしばらくして、病を患っていた親が亡くなりました。そして葬儀の際、やつれた顔でお坊さんにお礼を言いました。するとお坊さんは帰り際に「物事は諸行無常です。だけれど、良い風に変えていくことは出来ます。毎朝鏡に向かってありがとうと叫んでみなさい。」と言ってくださったのです。
私の疲弊した顔を見て、お坊さんはアドバイスの言葉をかけてくれたのでしょう。
それから毎朝毎朝、鏡に向かってありがとう!と叫び続けました。すると不思議と体が暖かいオーラに包まれていくのを感じました。
さらに驚くことにそれから状況がどんどんと好転していき、仕事の昇格・結婚とトントン拍子に進んでいきました。
私がこの体に感じた暖かさこそが、言霊のもつ力なのではないかなと今では思っています。
愛を叫んだ時に体が熱くなるのも、怒りの言葉を発して身震いするのも、言霊の発する霊力の影響かも知れません。